呼吸促迫、元気消失で来院された猫ちゃんが胸腺腫でした。
来院時胸水、前胸部に腫瘍病変があり、細胞診と胸水抜去を行いました。
胸腺腫は前縦隔にできる良性の腫瘍です。高齢の犬猫で発生が多いと言われています。胸腺腫は腫瘍随伴症候群として、重症筋無力症、剥奪性皮膚炎、高カルシウム血症、リンパ球増加、貧血、胸水があります。
胸腺腫の根治治療として、外科摘出があります。様々な理由で、外科が行えない場合は、緩和治療として、ステロイドの内服をおこないます。
この猫ちゃんは17才、CT検査にて線維素性胸膜炎の発症、腹側胸膜への浸潤、前大静脈、腕頭動脈、右心房と癒着しており、手術のリスクが高い為、緩和治療となりました。
現在ステロイド内服で1年経過しています。