今回は、前十字靭帯断裂に対してTTA(脛骨粗面前進化術)と膀胱結石摘出を同時に行ったワンちゃんのお話です。
膀胱結石が食事療法や内科治療に反応がなく、膀胱結石摘出の手術を考えていた矢先に、後ろ足を浮かせるようになった、ということで先日受診されました。
症状や触診から前十字靭帯損傷を疑いレントゲンを撮りました。
明らかな脛骨の前方変位は認められませんでしたが、軽度なファットパッドサインがありました。
術前のレントゲンがこちらになります(膀胱に石があるのも確認できます)。
関節鏡では前十字靭帯の損傷が確認できました。
靭帯の断裂に続発して起こる内側半月板の損傷は認められませんでした。
前十字靭帯断裂に対して、TTA(脛骨粗面前進化術)を行った後、同じ麻酔で膀胱切開を行い結石も摘出しました。
術後のレントゲンがこちらです。
2週間後の抜糸時にはまだ跛行は少し残るものの、しっかりと足をつけて歩けるようになっていました。
その時のスマイルがこちらです。
本来、整形外科と軟部外科を同時に行うのは理想的ではありませんが、必要な手術であれば今回のように同時に行うことができるのも1.5次診療を行う病院の強みであると思っています。
歩き方や体重のかけ方など、ペットちゃんの異常が少しでも気になるようであればご相談にいらしてください。