ふなばし動物医療センター 日々の診療

ふなばし動物医療センター(かつまペットクリニック)での日々の診療などをご紹介いたします。(HP: https://katsuma-pc.jp)

胆嚢粘液嚢腫に対して胆嚢摘出術を行った犬の一例

今回は胆嚢粘液嚢腫についてお話しします。

 

 


胆嚢粘液嚢腫とは、中年齢から高年齢に発症し、胆嚢内にゼリー状のムチンが多量に蓄積する病態です。過剰に蓄積した粘液物質が胆嚢壁を圧迫し、胆嚢破裂を起こす可能性があります。重篤な胆汁性腹膜炎を引き起こす可能性がある疾患です。

 

症状として嘔吐、食欲不振、黄疸が認められることがあります。今回の子は元気食欲の低下を主訴に来院されました。

血液検査にてGPT1000以上、GOT 753、ALP 1225以上、TBill 2.7、CRP 14以上を示し、酵素の上昇が認められました。
エコー検査にて胆嚢のキウイフルーツ状構造総胆管周囲の高エコー変化が認められました。


すぐに入院し、内科治療を行ったところ、肝酵素を含め、元気食欲などの一般状態の改善が認められました。一度胆嚢粘液嚢腫を発症している場合、再発する可能性が高いため、外科的に胆嚢を摘出しました。