ふなばし動物医療センター 日々の診療

ふなばし動物医療センター(かつまペットクリニック)での日々の診療などをご紹介いたします。(HP: https://katsuma-pc.jp)

流涙症(涙やけ)に対する鼻涙管洗浄について

目から出る涙の量が多くなり、目頭周囲が常に濡れていたり、毛が変色すること流涙症(涙やけ)と言います。

 

通常、涙は眼の涙点から鼻に通っている鼻涙管という細い管を通り排泄されます。

 

 

 

流涙症の原因は様々ですが、大きく分けると、① 涙の分泌量が何かしらの原因で増量している、② 涙の排泄がうまくいっていない、に大別できます。

 

①の涙の分泌量が増える原因には、眼瞼の異常(内反症など)、睫毛の異常(異所性睫毛、睫毛重生、睫毛乱生)、結膜炎、角膜炎、角膜損傷、瞬膜腺の異常など多岐に渡ります。

 

②の涙の排泄異常には、涙点が存在しない場合や、生まれつき細い場合、異物、炎症、周囲からの圧迫により閉塞、鼻腔内の異常など様々です。

 

 

流涙症以外の症状や身体検査、鼻涙管の閉塞検査などからその原因を探っていくこととなります。

 

 

 

鼻涙管の閉塞が疑われる場合には、写真の様に先端の細い器具を涙点に差し込み、洗浄を行います。

 

 

閉塞がない場合、解除された場合には、入れた液体が鼻の先端から出てきます。

 

異物がある場合には異物も一緒に洗い流されます。

流涙症の治療は原因を解消することにあります。

 

放置することで本人の不快感や涙が原因となる皮膚炎が起こることもあります。

 

 

「良くあることだから」と放置していたら、全く別の疾患が原因で起こっていて、原因疾患がどんどん悪化していた、なんてことにならない様にしましょう。

 

心配な場合はすぐに病院にご相談ください!