2024-08-02 血栓症による後肢麻痺の猫ちゃんの一例 内科治療 循環器疾患 猫 跛行 数日前より右後肢の跛行があるとのことで来院。棚から落下した可能性あり。 右後肢を触っても痛みはなく、神経学的な異常はなかった。外傷もなし。 レントゲン検査にて右後肢の大腿部軟部組織腫脹あり。骨折や関節炎はなし。消炎剤にて改善あるか確認。 後日麻痺の改善がなく、再診。血液検査にて患肢のカリウム上昇、血糖値正常。心臓エコーでは軽度の肥大型心筋症あり。 『血栓症による後肢麻痺』として抗血栓薬で治療しています。 猫の肥大型心筋症の合併症の一つに血栓症塞栓症があります。 予後は悪く、肥大型心筋症の死因の2割を占めます。 麻痺している患肢の体温が低いことや患肢の低血糖、高カリウム、心疾患の有無などが診断する上で重要です。 治療は血栓溶解剤や抗血栓薬、鎮痛薬などを使用します。