ふなばし動物医療センター 日々の診療

ふなばし動物医療センター(かつまペットクリニック)での日々の診療などをご紹介いたします。(HP: https://katsuma-pc.jp)

血栓症による後肢麻痺の猫ちゃんの一例

数日前より右後肢の跛行があるとのことで来院。
棚から落下した可能性あり。

 

 

右後肢を触っても痛みはなく、神経学的な異常はなかった。外傷もなし。

レントゲン検査にて右後肢の大腿部軟部組織腫脹あり。骨折や関節炎はなし。
消炎剤にて改善あるか確認。

 

後日麻痺の改善がなく、再診。
血液検査にて患肢のカリウム上昇、血糖値正常。
心臓エコーでは軽度の肥大型心筋症あり。

血栓症による後肢麻痺』として血栓薬で治療しています。

 


猫の肥大型心筋症の合併症の一つに血栓症栓症があります。

予後は悪く、肥大型心筋症の死因の2割を占めます。

麻痺している患肢の体温が低いことや患肢の低血糖、高カリウム、心疾患の有無などが診断する上で重要です。

治療は血栓溶解剤や抗血栓薬、鎮痛薬などを使用します。