ふなばし動物医療センター 日々の診療

ふなばし動物医療センター(かつまペットクリニック)での日々の診療などをご紹介いたします。(HP: https://katsuma-pc.jp)

尿管結石の猫ちゃんに尿管端々吻合術を行った例

元気、食欲の低下を主訴に来院された猫ちゃんが尿管結石でした。


尿管結石は左右両方にあり、右腎臓は尿管結石により、水腎化していました。

右の結石は腎臓から出てすぐの尿管で閉塞させていました。左の結石は膀胱の近くにありました。

手術で左右両方の尿管を切開し結石を取り除きました。
また、腎盂の拡張が見られた右腎臓に腎瘻チューブを設置しました。

術後1週間経っても、右尿管の疎通性が確認できず、再手術にて尿管の部分切除および尿管端々吻合術を行いました。

猫ちゃんでは、尿管結石が原因で尿管の繊維化が起きると、石がなくても閉塞させていまいます。再手術1週間後に腎瘻造影検査にて、尿管の疎通を確認し、腎瘻チューブの抜去を行いました。

術後、右の腎盂の拡張があり、部分閉塞がありましたが、術後半年たって徐々に腎盂の拡張が少なくなっています。
この猫ちゃんは術前は大好きだったちゅーるも全く食べなかったため、術後は食道瘻チューブを設置してチューブからご飯をあげていました。術後半年たった現在は自分からもりもりご飯をたべ、欲しがるそうです。手術前から体重も1キロ増加しました。