ふなばし動物医療センター 日々の診療

ふなばし動物医療センター(かつまペットクリニック)での日々の診療などをご紹介いたします。(HP: https://katsuma-pc.jp)

両側の会陰ヘルニアの犬の1例

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の症例は9歳雄の雑種のわんちゃんです。

便の出が悪くなってきたとのことで来院されました。

 

身体検査をしてみると、肛門の脇が膨らんでおり、直腸検査などから会陰ヘルニア」と診断しました。

左側の方が重度で、カチカチに固まった便が大量に蓄積していました。



会陰ヘルニアはお尻周りの会陰部の筋肉が薄くなってしまう病気で、未去勢の雄に多いです。

去勢手術をすることで予防ができるとされており、原因は男性ホルモンが関与していると言われています。

会陰部の筋肉が萎縮して“緩い”状態になることで、その隙間に直腸や膀胱などの臓器が飛び出してしまいます。

そのため、放っておくと致死的な状態を招く恐れがあり、早めに外科的整復が必要な疾患です。



本症例はまず去勢手術を行い、その後〝総漿膜″という精巣が収まっている膜を使用して会陰ヘルニアの整復を実施しました。


 

下の写真の指の部分がヘルニア孔になります。



周囲の筋肉に総漿膜を縫い合わせることでヘルニア孔を塞いでいきます。


ヘルニア部はきれいに整復されました。

経過はとても順調で、今では便も毎日スムーズに出ています。

 

 

・便や尿の出方がおかしい

・最近よく踏ん張っている時間が長くなった

・お尻が脇が膨らんでいる


このような症状が見られた場合は一度診察にいらしてください!