ふなばし動物医療センター 日々の診療

ふなばし動物医療センター(かつまペットクリニック)での日々の診療などをご紹介いたします。(HP: https://katsuma-pc.jp)

精巣腫瘍(ライディッヒ細胞腫)の犬の一例

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠

 

 

今回は犬の精巣腫瘍です。


症例は、ヨークシャテリア、14歳齢の男の子です。

健診にて精巣が片方腫れているのが分かりました。

 

 

写真のように左側の精巣が腫大し、右側の精巣が萎縮していました。

 

精巣腫瘍は良性のものもあれば悪性のものもあるため、去勢手術により、精巣腫瘍を摘出しました。

 

 

病理検査の結果は『ライディッヒ細胞腫』という腫瘍でした。

 

精巣腫瘍は高齢犬に多く発生し、精細胞腫(セミノーマ)セルトリ細胞腫ライディッヒ細胞腫の3種類があります。

どれも精巣の腫れとして確認できますが、見た目では区別することができません。
また、精巣が体内に停滞する潜在精巣(陰睾)のものに発生が多いと言われています。

 

中でもライディッヒ細胞腫は精巣腫瘍の中で良性に分類される腫瘍です。

テストステロン(男性ホルモン)を分泌するライディッヒ細胞による腫瘍性病変であり、去勢により治癒します。

ほとんどが下降した精巣に発生し、転移はなく、あまり臨床症状として問題にならないため、高齢の未去勢の犬で偶然発見されることが多いです。

 

いずれの精巣腫瘍でも、若齢で去勢手術をすることで精巣の腫瘍化を未然に防ぐことができるため、何か気になることがあれば一度病院にいらして下さい。