ふなばし動物医療センター 日々の診療

ふなばし動物医療センター(かつまペットクリニック)での日々の診療などをご紹介いたします。(HP: https://katsuma-pc.jp)

犬のメラノサイトーマ(良性黒色腫)

こんにちは!


今回の症例は8歳のエアデール・テリアの女の子です。

腰部の皮膚にできものがあるとの主訴で来院されました。

本人は元気食欲もあり、特にできものを気にする様子はありませんでした。

 

身体検査にて、腰背部の皮膚に大きさ2cmの黒色腫瘤が認められました。


黒色腫瘤は遠隔転移するような悪性の腫瘍の可能性もあるため、早期に外科手術による切除を実施しました。

 



病理検査の結果は、『メラノサイトーマ』という良性の腫瘍でした。

メラノサイトーマは、メラニン色素産生細胞(メラノサイト)由来の良性腫瘍であり、犬ではよく発生が見られますが、猫ではまれな疾患と言われています。

メラノサイトは表皮、真皮、毛包などの皮膚付属器に分布しているため、メラノサイトーマは皮膚に黒色のできものができることで発見されます。

また、腫瘍細胞に異型性や核分裂像が認められないことから悪性黒色腫(メラノーマ)とは区別されます。



ほとんどの場合、完全切除により予後は良好と言われています。


皮膚腫瘤は、見た目や大きさだけでは良性か悪性か区別することは難しいため、わんちゃんねこちゃんの皮膚に何か異常を見つけたら早めに動物病院へ受診することをお勧めします。