⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠
10歳、未避妊のピットブルで乳腺部にしこりがあるという主訴で来院されました。
乳腺部のしこりに対して細胞診を行ったところ上皮系の細胞が採取されたため、乳腺腫瘍を疑い腫瘤の摘出を勧めました。
犬の乳頭は左右に5対あります。
第1から第2・3乳腺は繋がっていて、第3から第4・5乳腺と繋がっています。
今回は右側の第3乳腺部に8センチ程の腫瘤が認められました。
乳腺腫瘍は細胞診では良性・悪性の判断がつきづらいのと、良性であっても悪性に転化する可能性があるので、右側第1から第5乳腺の片側全摘出を行うこととなりました。
未避妊であったので同時に避妊手術も実施しました。
ある程度、年齢がある子に対して避妊手術を行っても乳腺腫瘍の発生を完全に予防出来る訳ではありませんが、再発率を抑える事が見込めるため、乳腺部腫瘍の摘出を行い際は同時に避妊手術もお勧めしています。
手術前の画像
摘出した乳腺
病理組織検査の結果は、乳腺腺腫と良性の結果でした。
犬の乳腺腫瘍は良性と悪性の割合が50%と言われますが、良性から悪性に転化する可能性と悪性の場合は高率に肺に転移を認めるため、発見した際の治療としては外科的に摘出を推奨しています。
また、乳腺腫瘍は早期の避妊手術で発生を予防出来るので、早期の避妊手術をお勧め致します。