ふなばし動物医療センター 日々の診療

ふなばし動物医療センター(かつまペットクリニック)での日々の診療などをご紹介いたします。(HP: https://katsuma-pc.jp)

手術

軟部組織肉腫のワンちゃんの一例

16歳の避妊済の犬。 左上腕皮膚の腫瘤を主訴に来院されました。 この子は副腎皮質機能亢進症の持病があり、腎臓の数値も高値であったため 全身麻酔のリスクが少し高い症例でした。 飼い主様と相談し、局所麻酔を用いて鎮静下で腫瘤切除を行いました。 病理検…

足根関節脱臼のわんちゃんの一例

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠ 膝の上から飛び降りたパピヨンちゃんが来院されました。 足根関節の脱臼(距骨の後方脱臼)、腓骨骨折でした。 外側側伏靭帯の損傷が認められたため、アンカースクリューによる関節制動術を行いまし…

胆石症のわんちゃんの一例

胆石症は基本的に無症状の症例で治療は必要ないと言われています。 しかし、胆石の閉塞により、胆嚢側の胆管が拡張する場合は、外科的な治療が必要になります。 この子は胆石による細菌感染性の胆嚢炎を発症しており、GPT1000以上、GGT50、食欲不振を起こし…

角膜穿孔に対して結膜フラップを行った症例

今回は角膜が穿孔してしまったわんちゃんです。 当初、診察時は眼の痛みが強く、顔まわりを触られるのを極端に嫌がっていました。 眼の中の眼房水も流出して、眼の周りも毛が濡れていました。 よく見ると角膜に穴が開いています。 今症例に対しては、穿孔し…

扁平上皮癌のわんちゃんの一例

口唇にできた扁平上皮癌の症例です。 最近皮膚をよく掻く、唇から軽度の出血があるとの主訴で来院。 病変は口唇部に限局していますが、自壊していました。 病理検査の結果、扁平上皮癌と診断されました。 扁平上皮癌とは、犬の口腔内に発生する悪性腫瘍のう…

臍ヘルニアのわんちゃんの一例

先日、おへその部分が腫れているワンちゃんが来院されました。 触診してみると、ちょうどおへその部分の腹壁に穴が空いておりました。 相談の上、外科手術をすることになりました。 おへその腫れは、腹壁の穴から脂肪が飛び出てしまっていた脂肪でした。 空…

角膜黒色壊死症の猫ちゃんの一例

症例は1歳、雌の、エキゾチックショートヘアー。 主訴は目が黒くなってきたということで、来院されました。 見てみると、角膜の中央部分が黒く壊死してしまっている、角膜黒色壊死症という状態になっていました。 黒色壊死症は慢性的な角膜潰瘍や角膜炎など…

腹腔内出血で来院したわんちゃんの1例

シニアのMIX犬 元気食欲低下で来院、触診で可視粘膜の蒼白が見られました。 血液検査では再生性貧血、低タンパク結晶。 腹部レントゲン検査で腹腔内に巨大な腫瘤が認められ、腹部エコー検査にて脾臓発生の腫瘤と判明しました。また、同時に腹水の貯留も確認…

角膜穿孔に対して結膜フラップを行った症例

今回は角膜が穿孔してしまったわんちゃんです。 当初、診察時は眼の痛みが強く、顔まわりを触られるのを極端に嫌がっていました。 眼の中の眼房水も流出して、眼の周りも毛が濡れていました。 ↓よく見ると角膜に穴が開いています。 今症例に対しては、穿孔し…

尿管結石の猫ちゃんに尿管端々吻合術を行った例

元気、食欲の低下を主訴に来院された猫ちゃんが尿管結石でした。 尿管結石は左右両方にあり、右腎臓は尿管結石により、水腎化していました。 右の結石は腎臓から出てすぐの尿管で閉塞させていました。左の結石は膀胱の近くにありました。 手術で左右両方の尿…

粉砕骨折の猫ちゃんの一例

6歳の避妊雌の猫ちゃん。 朝から、急に鳴き叫ぶとのことで来院されました。 検査により左後肢の脛骨の粉砕骨折、腓骨の横骨折と診断しました。 この子は以前、動脈血栓塞栓症の既往歴があり、それ以降、後肢の不全麻痺がありました。 今回の骨折に、この不全…

中手骨骨折の猫ちゃんの一例

先日、左前肢の跛行を主訴に来院された猫ちゃんをご紹介します。 レントゲンで確認してみると、、、 中手骨の骨折が認められました。(第3-5指) 今回はピンニングによる整復を行いました。 術後はギブス固定を行い、骨の癒合を確認後 手術から約2ヶ月後に抜ピ…

肥満細胞腫の猫の一例

猫の肥満細胞腫は猫の全腫瘍の中で2~15%を占め、猫の腫瘍としては比較的発生が多いと言われています。猫の肥満細胞腫は犬同様、皮膚に多く発生し、80~90%が良性な挙動を示すといわれています。 猫の肥満細胞腫は皮膚型と内臓型に分けられます。皮膚型の発生…

紐状異物を誤食してしまった猫ちゃんの一例

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠ 今回は異物を誤食してしまった猫ちゃんの紹介です。 1歳の避妊済みの猫ちゃんで、 2日前におやつの包装紙を食べて吐いた後、嘔吐が続くとの主訴で来院しました。 その際に包装紙以外にも様々なもの…

誤食したヒモ状異物を内視鏡下で摘出した一例

症例は4歳の猫ちゃん。 前日に10cmの長さの紐を誤食し、朝から吐き気と震えを主訴に来院。 腹部エコー検査で胃の幽門部から十二指腸にかけて連なってる異物を確認したため、異物による腸閉塞を疑い、全身麻酔による内視鏡下で摘出を試みました。 【十二指腸…

竹串を誤食してしまったわんちゃん

先日焼き鳥を串ごと盗み食いしてしまったワンちゃんが他院からの紹介で来院されました。 食べてしまってから数日後に、食欲元気の低下とお腹を触られるのを嫌がるということで、見てみると脇腹がぽっこり腫れていました。 超音波で確認してみると、、 竹串が…

末梢神経鞘腫の猫の一例

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠ 今回は、足指の腫脹と出血を主訴に来院された猫ちゃんの症例です。足指の外側に1cm大の腫瘤が確認されました。硬結しており、排膿はありませんでした。肺趾症も疑われましたが、レントゲンでは肺野…

胆嚢粘液嚢腫に対して胆嚢摘出術を行った犬の一例

今回は胆嚢粘液嚢腫についてお話しします。 胆嚢粘液嚢腫とは、中年齢から高年齢に発症し、胆嚢内にゼリー状のムチンが多量に蓄積する病態です。過剰に蓄積した粘液物質が胆嚢壁を圧迫し、胆嚢破裂を起こす可能性があります。重篤な胆汁性腹膜炎を引き起こす…

口腔鼻腔瘻の治療として抜歯術を行った犬の一例

口腔鼻腔瘻のミニチュアダックスの症例についてお話します。 鼻水とくしゃみが止まらないことを主訴で来院。 その子は重度歯周炎があり、歯周炎が原因で上顎骨の一部が溶け、口と鼻がつながる口腔鼻腔瘻が原因と考えられました。 そこで、抗生剤の内科治療に…

上腕骨遠位端骨折の犬の一例

症例は4か月齢、ゴールデンレトリーバーの女の子です。 階段から落ちたという主訴で来院されました。 レントゲンを撮ると右前肢の上腕骨遠位端骨折でした。 上腕骨の遠位端は若齢犬の骨折の好発部位となっています。若齢犬の骨には成長板という、骨の成長に…

猫の直腸腺癌における手術と抗がん剤で寛解した一例

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠ 今回は猫ちゃんの直腸に発生した悪性腫瘍(直腸腺癌)を手術と術後の抗がん剤で緩解維持できてる症例についてお話しします。 高齢猫ちゃんが排便困難を主訴に来院。 触診にて多量の糞便の貯留を確認…

高齢の未去勢オスのわんちゃんに見られたセミノーマ

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠ 症例は10歳、ゴールデンレトリーバー、未去勢。 健康診断を目的として当院を来院されました。 一般状態は健康でしたが、左右の大きさの違う精巣が触知されました。 精巣はこのように腫大していたり…

横隔膜ヘルニアの猫ちゃん

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠ 野良猫ちゃんを保護したとの事で、来院した猫ちゃんが横隔膜ヘルニアでした。 安静時の呼吸は正常でしたが、横に倒したり、激しい運動をすると呼吸が早くなるという症状がありました。 横隔膜ヘルニ…

脛骨粗面剥離骨折の犬の1例

今回の症例は生後約6ヶ月のワンちゃん。 左後肢の脛骨粗面の剥離骨折で来院されました。 レントゲン検査にて、右の後肢と比べると、左後肢の脛骨粗面の近位の変位が確認できます。 正常な右後肢 脛骨粗面が骨折した左後肢 この部位の骨折は、生後10ヶ月以下…

指の皮膚にできたメラノサイトーマ(皮膚黒色腫)

今回は、後肢の指の皮膚にできた腫瘤の紹介です。 中年齢のミニチュア・シュナウザーの子で右後肢の第3指に黒色の腫瘤が見られて精査を主訴に来院されました。 検査を目的に外科的切除しました。(切除生検) 結果はメラノサイトーマ(皮膚黒色腫)でした。…

尺骨の成長板早期閉鎖に対して尺骨骨切り術を実施した犬の1例

症例は、7ヶ月、避妊メスのミニチュア・ダックスフンドです。 右前足の破行を主訴に来院されました。 レントゲン検査にて、尺骨成長板の早期閉鎖が認められました。 これにより、橈骨と尺骨長の不均衡が生じ、肘関節腔の拡大を伴う事で破行が生じたものと思…

白内障手術を受けたわんちゃん

10歳のトイプードルとヨークシャーテリアのMIXの男の子。 以前から両目共に白内障があり、手術を行うほどは進行していなかったため、点眼治療を行っていました。 ここ最近になり、徐々に進行が認められ、左目が未熟期から成熟期の白内障となったため、白内障…

歯肉口内炎に対して下顎臼歯抜歯を行った猫ちゃん

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠ 今回の症例は8歳の猫ちゃんで、食欲の低下を主訴に来院されました。猫の歯肉口内炎は、歯肉と口腔粘膜に炎症を起こす原因不明の病気です。歯垢や歯石、細菌に対するアレルギー反応とも言われていま…

両側の会陰ヘルニアの犬の1例

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠ 今回の症例は9歳雄の雑種のわんちゃんです。 便の出が悪くなってきたとのことで来院されました。 身体検査をしてみると、肛門の脇が膨らんでおり、直腸検査などから「会陰ヘルニア」と診断しました…

肝臓腫瘍に対して肝葉切除手術を行なったジャックラッセルテリアちゃん

10歳のジャックラッセルテリアの女の子。 もともとの内分泌疾患があり、 定期的に血液検査を行なっていました。 その子に食欲不振が見られたため、腹部の超音波検査を行いました。 そこで、肝臓の左葉に6cm大の腫瘤を確認しました。 さらなる精査のため、CT…