10歳のジャックラッセルテリアの女の子。
もともとの内分泌疾患があり、
定期的に血液検査を行なっていました。
その子に食欲不振が見られたため、腹部の超音波検査を行いました。
そこで、肝臓の左葉に6cm大の腫瘤を確認しました。
さらなる精査のため、CT検査と針生検による細胞診検査を実施しました。
検査結果は、肝臓の外側左葉に腫瘤があり、
高分化型肝細胞癌もしくは肝細胞腺腫を疑うというものでした。
良性腫瘍、悪性腫瘍と両方の可能性がありましたが、
飼い主様と相談をし、手術にて摘出することにいたしました。
手術は、肝臓外側左葉摘出術というものを行いました。
腫瘤は大網に少し癒着が見られましたが、無事摘出することができました。
病理検査結果は肝細胞腺腫でした。
この手術は、大きく皮膚を切開しないといけない手術でしたので、
手術中、術後の疼痛管理にいつも以上に注意が必要でした。
手術後は、1週間ほど、炎症所見が見られましたが、
その後は、元気食欲もあり、皮膚の傷口も綺麗になっています。
肝臓の腫瘍はかなり大きくならないと症状を示さないものがあります。
早期発見、早期治療で予後が良好なものもありますので、
症状がなくても、血液検査や超音波検査にて定期的にチェックすることをおすすめします。