ふなばし動物医療センター 日々の診療

ふなばし動物医療センター(かつまペットクリニック)での日々の診療などをご紹介いたします。(HP: https://katsuma-pc.jp)

2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

猫ちゃんの爪刺さりによるパッドの損傷

猫ちゃんの爪切りは定期的に行いましょう。 先日、指のどこかから出血しているという症状で猫ちゃんが来院されました。 指を触ると怒るので、飼い主さんは爪切りはおこなっていませんが、自分で爪を研ぐ猫ちゃんでした。 毎日爪を研ぐ猫ちゃんでも、爪が伸び…

猫の直腸腺癌における手術と抗がん剤で寛解した一例

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠ 今回は猫ちゃんの直腸に発生した悪性腫瘍(直腸腺癌)を手術と術後の抗がん剤で緩解維持できてる症例についてお話しします。 高齢猫ちゃんが排便困難を主訴に来院。 触診にて多量の糞便の貯留を確認…

高齢の未去勢オスのわんちゃんに見られたセミノーマ

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠ 症例は10歳、ゴールデンレトリーバー、未去勢。 健康診断を目的として当院を来院されました。 一般状態は健康でしたが、左右の大きさの違う精巣が触知されました。 精巣はこのように腫大していたり…

横隔膜ヘルニアの猫ちゃん

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠ 野良猫ちゃんを保護したとの事で、来院した猫ちゃんが横隔膜ヘルニアでした。 安静時の呼吸は正常でしたが、横に倒したり、激しい運動をすると呼吸が早くなるという症状がありました。 横隔膜ヘルニ…

脛骨粗面剥離骨折の犬の1例

今回の症例は生後約6ヶ月のワンちゃん。 左後肢の脛骨粗面の剥離骨折で来院されました。 レントゲン検査にて、右の後肢と比べると、左後肢の脛骨粗面の近位の変位が確認できます。 正常な右後肢 脛骨粗面が骨折した左後肢 この部位の骨折は、生後10ヶ月以下…

指の皮膚にできたメラノサイトーマ(皮膚黒色腫)

今回は、後肢の指の皮膚にできた腫瘤の紹介です。 中年齢のミニチュア・シュナウザーの子で右後肢の第3指に黒色の腫瘤が見られて精査を主訴に来院されました。 検査を目的に外科的切除しました。(切除生検) 結果はメラノサイトーマ(皮膚黒色腫)でした。…

角膜損傷の原因が東洋眼虫だった1例

潰瘍性角膜炎とは眼の表面にある角膜が物理的な刺激などによって損傷した状態です。損傷の深さによって、角膜裂傷、角膜びらん、角膜潰瘍、デスメ膜瘤、角膜穿孔と病名が異なり、治療法も異なります。特に角膜びらんより深い損傷になった場合、麻酔をかけた…

尺骨の成長板早期閉鎖に対して尺骨骨切り術を実施した犬の1例

症例は、7ヶ月、避妊メスのミニチュア・ダックスフンドです。 右前足の破行を主訴に来院されました。 レントゲン検査にて、尺骨成長板の早期閉鎖が認められました。 これにより、橈骨と尺骨長の不均衡が生じ、肘関節腔の拡大を伴う事で破行が生じたものと思…

白内障手術を受けたわんちゃん

10歳のトイプードルとヨークシャーテリアのMIXの男の子。 以前から両目共に白内障があり、手術を行うほどは進行していなかったため、点眼治療を行っていました。 ここ最近になり、徐々に進行が認められ、左目が未熟期から成熟期の白内障となったため、白内障…

脾臓血管肉腫の犬の一例

今回は脾臓血管肉腫に対して脾臓摘出術を行なった子についてお話しします。 10歳のゴールデンレトリーバーの女の子。 最近、どことなく元気がなく、えずく様子が見られたという主訴で来院されました。 血液検査にてCRPの上昇が認められたため、追加で腹部超…

歯肉口内炎に対して下顎臼歯抜歯を行った猫ちゃん

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠ 今回の症例は8歳の猫ちゃんで、食欲の低下を主訴に来院されました。猫の歯肉口内炎は、歯肉と口腔粘膜に炎症を起こす原因不明の病気です。歯垢や歯石、細菌に対するアレルギー反応とも言われていま…

両側の会陰ヘルニアの犬の1例

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠ 今回の症例は9歳雄の雑種のわんちゃんです。 便の出が悪くなってきたとのことで来院されました。 身体検査をしてみると、肛門の脇が膨らんでおり、直腸検査などから「会陰ヘルニア」と診断しました…

子宮蓄膿症の猫の一例

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠ 2.3日前からの食欲低下、陰部からの排膿を主訴に来院されました。 血液検査で白血球数の重度減少、エコー検査で子宮内に膿を確認。 以上の所見から、細菌感染による白血球消費亢進を伴った「子宮蓄…