今回は脾臓血管肉腫に対して脾臓摘出術を行なった子についてお話しします。
10歳のゴールデンレトリーバーの女の子。
最近、どことなく元気がなく、えずく様子が見られたという主訴で来院されました。
血液検査にてCRPの上昇が認められたため、追加で腹部超音波検査を行いました。
超音波検査では、脾臓に腫瘤が確認されました。
犬種と年齢より、脾臓血管肉腫が疑われたため、後日、CT検査と脾臓摘出術を行いました。
結果は脾臓の血管肉腫という結果でした。
そのため、術後に抗がん剤(ドキソルビシン)の投与を行いました。
今現在、術後2ヶ月になりますが、元気食欲はあり、転移や再発は確認されておりません。
血管肉腫は非常に悪性度が高い場合が多く、
生存期間中央値は、脾臓摘出術単独では約3ヶ月、
術後アジュバント療法(抗がん剤治療)を行なった場合は約6ヶ月
と言われています。
今回の子は体調の変化に飼い主様がいち早く気づき、比較的早期に発見することができ、安全に手術を行うことができました。
少しでもいつもと違うことがあれば、獣医師に相談していただくことをおすすめします。