今回の症例は、7歳の雑種猫ちゃん(避妊雌)。
血尿が続いており、トイレで排尿姿勢をとるが、なかなか尿が出ないとのことで来院。
膀胱のエコー検査を行ってみると、膀胱内にシャドーを引く白い塊が確認されました。
レントゲン検査において、多数の結石が膀胱内に確認されたため、『膀胱結石』と診断しました。
また、尿検査では結石や結晶が確認できず、膀胱内にある膀胱結石がどのような成分かは不明でした。
通常は、食餌療法や内科療法で膀胱結石が小さくなったり消失することもあります。
食餌療法や内科療法でも改善が見られない場合は手術で摘出する必要があります。
この子の場合は多数の結石があり、食餌療法のみでは血尿が治らないと判断し、飼い主様とご相談の上、早期に膀胱結石摘出術を行うこととなりました。
手術により膀胱を切開し、確認すると合計で11個の結石がありました。
術後のレントゲンおよび結石の写真です。
結石成分検査の結果、『シュウ酸カルシウム』という成分でした。
シュウ酸カルシウム結石は食餌療法などで溶解・予防することが難しい結石であり、手術による摘出が必要となります。
この猫ちゃんは手術後、症状が改善し、元気に過ごしています。
もし、わんちゃん猫ちゃんに頻尿や血尿などの症状があれば動物病院にご来院ください。