ふなばし動物医療センター 日々の診療

ふなばし動物医療センター(かつまペットクリニック)での日々の診療などをご紹介いたします。(HP: https://katsuma-pc.jp)

胸腺腫の猫ちゃん

呼吸促迫、元気消失で来院された猫ちゃんが胸腺腫でした。 来院時胸水、前胸部に腫瘍病変があり、細胞診と胸水抜去を行いました。 胸腺腫は前縦隔にできる良性の腫瘍です。高齢の犬猫で発生が多いと言われています。胸腺腫は腫瘍随伴症候群として、重症筋無…

猫ちゃんの胸腔ドレーン

猫の突発性乳び胸の症例で、呼吸数増加、えずきを主訴に来院。 X線やエコー検査にて胸水貯留、前縦隔内の充実物がみられました。胸水は乳びで、CT検査にて突発性乳び胸と診断されました。 突発性乳び胸の保存療法としては定期的な胸腔穿刺と内科治療として低…

角膜黒色壊死症の猫ちゃんの一例

症例は1歳、雌の、エキゾチックショートヘアー。 主訴は目が黒くなってきたということで、来院されました。 見てみると、角膜の中央部分が黒く壊死してしまっている、角膜黒色壊死症という状態になっていました。 黒色壊死症は慢性的な角膜潰瘍や角膜炎など…

尿管結石の猫ちゃんに尿管端々吻合術を行った例

元気、食欲の低下を主訴に来院された猫ちゃんが尿管結石でした。 尿管結石は左右両方にあり、右腎臓は尿管結石により、水腎化していました。 右の結石は腎臓から出てすぐの尿管で閉塞させていました。左の結石は膀胱の近くにありました。 手術で左右両方の尿…

血栓症による後肢麻痺の猫ちゃんの一例

数日前より右後肢の跛行があるとのことで来院。棚から落下した可能性あり。 右後肢を触っても痛みはなく、神経学的な異常はなかった。外傷もなし。 レントゲン検査にて右後肢の大腿部軟部組織腫脹あり。骨折や関節炎はなし。消炎剤にて改善あるか確認。 後日…

粉砕骨折の猫ちゃんの一例

6歳の避妊雌の猫ちゃん。 朝から、急に鳴き叫ぶとのことで来院されました。 検査により左後肢の脛骨の粉砕骨折、腓骨の横骨折と診断しました。 この子は以前、動脈血栓塞栓症の既往歴があり、それ以降、後肢の不全麻痺がありました。 今回の骨折に、この不全…

中手骨骨折の猫ちゃんの一例

先日、左前肢の跛行を主訴に来院された猫ちゃんをご紹介します。 レントゲンで確認してみると、、、 中手骨の骨折が認められました。(第3-5指) 今回はピンニングによる整復を行いました。 術後はギブス固定を行い、骨の癒合を確認後 手術から約2ヶ月後に抜ピ…

肥満細胞腫の猫の一例

猫の肥満細胞腫は猫の全腫瘍の中で2~15%を占め、猫の腫瘍としては比較的発生が多いと言われています。猫の肥満細胞腫は犬同様、皮膚に多く発生し、80~90%が良性な挙動を示すといわれています。 猫の肥満細胞腫は皮膚型と内臓型に分けられます。皮膚型の発生…

紐状異物を誤食してしまった猫ちゃんの一例

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠ 今回は異物を誤食してしまった猫ちゃんの紹介です。 1歳の避妊済みの猫ちゃんで、 2日前におやつの包装紙を食べて吐いた後、嘔吐が続くとの主訴で来院しました。 その際に包装紙以外にも様々なもの…

誤食したヒモ状異物を内視鏡下で摘出した一例

症例は4歳の猫ちゃん。 前日に10cmの長さの紐を誤食し、朝から吐き気と震えを主訴に来院。 腹部エコー検査で胃の幽門部から十二指腸にかけて連なってる異物を確認したため、異物による腸閉塞を疑い、全身麻酔による内視鏡下で摘出を試みました。 【十二指腸…

治療で回復に向かっている猫伝染性腹膜炎(FIP)の猫ちゃんの一例

今回は、猫伝染性腹膜炎(FIP)を発症した猫ちゃんについてお話します。 FIPとはコロナウイルスが猫に感染した後、突然変異で発症する感染症です。 腹水がたまる滲出型、腹水がない非滲出型に大きく分けられ、時折、脳や目に感染し症状を出すことがあります。 …

末梢神経鞘腫の猫の一例

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠ 今回は、足指の腫脹と出血を主訴に来院された猫ちゃんの症例です。足指の外側に1cm大の腫瘤が確認されました。硬結しており、排膿はありませんでした。肺趾症も疑われましたが、レントゲンでは肺野…

貧血の猫ちゃん

今回はマイコプラズマに感染したことにより貧血になってしまった猫ちゃんをご紹介します。 ヘモプラズマ症はマイコプラズマ(ヘモプラズマ)が猫の赤血球表面に感染し、溶血性貧血が引き起こされる疾患です。 感染急性期では元気や食欲の低下、貧血、黄疸、可…

猫ちゃんの爪刺さりによるパッドの損傷

猫ちゃんの爪切りは定期的に行いましょう。 先日、指のどこかから出血しているという症状で猫ちゃんが来院されました。 指を触ると怒るので、飼い主さんは爪切りはおこなっていませんが、自分で爪を研ぐ猫ちゃんでした。 毎日爪を研ぐ猫ちゃんでも、爪が伸び…

猫の直腸腺癌における手術と抗がん剤で寛解した一例

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠ 今回は猫ちゃんの直腸に発生した悪性腫瘍(直腸腺癌)を手術と術後の抗がん剤で緩解維持できてる症例についてお話しします。 高齢猫ちゃんが排便困難を主訴に来院。 触診にて多量の糞便の貯留を確認…

横隔膜ヘルニアの猫ちゃん

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠ 野良猫ちゃんを保護したとの事で、来院した猫ちゃんが横隔膜ヘルニアでした。 安静時の呼吸は正常でしたが、横に倒したり、激しい運動をすると呼吸が早くなるという症状がありました。 横隔膜ヘルニ…

歯肉口内炎に対して下顎臼歯抜歯を行った猫ちゃん

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠ 今回の症例は8歳の猫ちゃんで、食欲の低下を主訴に来院されました。猫の歯肉口内炎は、歯肉と口腔粘膜に炎症を起こす原因不明の病気です。歯垢や歯石、細菌に対するアレルギー反応とも言われていま…

子宮蓄膿症の猫の一例

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠ 2.3日前からの食欲低下、陰部からの排膿を主訴に来院されました。 血液検査で白血球数の重度減少、エコー検査で子宮内に膿を確認。 以上の所見から、細菌感染による白血球消費亢進を伴った「子宮蓄…

尿管結石摘出を行った猫ちゃん

皆様こんにちは。 今回は、健康診断プレミアムコースにて、左の尿管結石が認められた猫ちゃんです。レントゲンでは後腹膜エリアに結石の陰影が確認され、超音波検査では腎臓の腎盂が拡張しており、尿管結石による尿路閉塞で水腎症になっていました。 血液検…

膀胱結石の猫の一例 

今回の症例は、7歳の雑種猫ちゃん(避妊雌)。 血尿が続いており、トイレで排尿姿勢をとるが、なかなか尿が出ないとのことで来院。 膀胱のエコー検査を行ってみると、膀胱内にシャドーを引く白い塊が確認されました。 レントゲン検査において、多数の結石が…

腸切開により異物摘出を行った猫ちゃん

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠ 数日前から続く嘔吐と食欲不振を主訴に来院しました。 超音波検査で腹部を確認すると、小腸の一部分に何か異物があるのが確認できました。 そのせいで胃や十二指腸に液体貯留所見(消化管の流れが悪…

上腕骨の骨折の生後9ヶ月の猫ちゃん

今回は事故により左上腕骨の骨折で来院された生後9ヶ月の猫ちゃんをご紹介します。 レントゲン検査にて、左上腕骨近位の成長板骨折が確認できました。 今回はピンとワイヤーを用いて整復手術を行いました。 術後直後のレントゲン写真です。 術後2ヶ月半後の…

コクシジウム症の若齢猫ちゃん

3ヶ月齢のアビシニアンの猫ちゃん。間欠的な軟便を主訴として来院されました。 元気や食欲は良好で一般状態も問題無しです。 採便を行い採取した便を顕微鏡で観察すると。。。。 コクシジウムという寄生虫の虫卵が見つかりました。 コクシジウムとは感染した…

ネコちゃんのジョイントマットの誤食

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠ 誤食に注意! 先日、朝から吐き続けているという主訴の猫ちゃんが来院されました。 レントゲンを撮影してみると、消化管になにやら怪しいものが写っています。 内視鏡では届かない場所にあるため、…

踵骨骨折の猫ちゃん

踵骨骨折の猫ちゃん 他院様よりご紹介で来院した9ヶ月齢の猫ちゃんの紹介。 ソファーから乗り降りした後に左後肢の破行が認められてレントゲンで確認した所、右後肢踵骨の骨折が認められた症例です。 こちらがそのレントゲン写真です。 赤い丸で囲った所が折…

猫ちゃんの腹壁ヘルニア

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠ 数ヶ月前、道端でうずくまっていた所を保護されたノラ猫ちゃん。 お腹が腫れてるという事で来院されました。 レントゲンを撮ってみると、、、 お臍の所と右側のお腹の所から脂肪組織や消化管の一部…

ジョイントマットで腸閉塞を起こした猫ちゃん

今回は先日異物を誤飲してしまって、腸閉塞を起こしてしまった猫ちゃんのお話です。 ブリティッシュショートヘアー 6歳 (避妊メス) 急性の嘔吐とその後の元気食欲低下を主訴に来院されました。 身体検査、血液検査は異常はありませんでしたが、超音波検査で…