症例は猫、6歳、避妊メス、保護猫
2週間前に目の中の黒いものに気づいた。視力は保護した時から弱く、最近物にぶつかるくらい視力がさらに落ちたとのこと。
虹彩の奥から5時方向に黒色物あり。
黒色物は辺縁は円滑、半透明
眼エコーでは黒色物内部が低エコー性、網膜剥離−
眼圧正常、散瞳傾向、威嚇と眩目−、対光+
血圧正常
以上のことからぶどう膜嚢胞と診断。
治療は緑内障や角膜癒着は起きてないことから経過観察とした。
また、視力消失は眼底検査で網膜の血管が消失しており、網膜低形成もしくは網膜萎縮などが原因と考える。

ぶどう膜嚢胞とは...
前部ぶどう膜(虹彩、毛様体突起)の神経外胚葉の2層間のスペースの遺残から発生する良性の嚢胞で、単発性または多発性に前眼房内に浮遊することが多い。
•好発部位:瞳孔縁,毛様体ヒダ部
•原因:‒外傷,炎症,ほとんどが不明
‒先天性,後天性
•好発犬種:レトリーバー、ラブラドール、ボストンテリア、イングリッシュセター、グレートデンなど
•黒色腫との鑑別
‒半透明の構造
‒可動性
‒振動性
・症状:無症状が多い。ただし、嚢胞の位置、大きさ、数により角膜内皮障害による角膜浮腫、緑内障、水晶体前嚢への色素沈着、視覚障害が起こる場合がある。
•治療
‒通常は無治療。定期的な細隙灯検査と眼圧測定。
-嚢胞が角膜内皮に癒着している場合など、嚢胞の除去により臨床症状改善、または悪化を予防できる場合はレーザーなどでの嚢胞破壊術や嚢胞の細針吸引が選択されることがある。