症例は4歳、チワワ、去勢雄。
元々、内科的に角膜潰瘍の治療中であったが自宅で机の角に眼をぶつけてしまい、角膜穿孔を起こしてしまい来院されました。
既に角膜に穴が開く事で、房水が抜け虹彩と角膜が接しています。
この様な場合は点眼による、内科的な治療のみでの改善は難しいことが多いです。
そこで、角結膜移動術を用いて角膜穿孔の治療を実施いたしました。
角膜穿孔部に隣接した健常な角膜を半層切開した後に、上層を平行に移動して穿孔部位を被覆する術式です。結膜からの血管供給を受けられる点で、傷の修復に有利な術式です。
角膜穿孔に至ってしまった眼には疼痛・感染等を起こしてしまう為、この様な手術が有効となります。
角膜障害は、物理的な損傷や感染など様々な要因で生じてきます。
進行したものや重度な物だと穿孔し手術が必要なケースもありますので、些細な眼の異常など心配な点がございましたらいつでもご相談ください。