ふなばし動物医療センター 日々の診療

ふなばし動物医療センター(かつまペットクリニック)での日々の診療などをご紹介いたします。(HP: https://katsuma-pc.jp)

誤食したヒモ状異物を内視鏡下で摘出した一例

 

症例は4歳の猫ちゃん。

前日に10cmの長さの紐を誤食し、朝から吐き気と震えを主訴に来院。

腹部エコー検査で胃の幽門部から十二指腸にかけて連なってる異物を確認したため、異物による腸閉塞を疑い、全身麻酔による内視鏡下で摘出を試みました。

 

【十二指腸まで届いていた直径3.8mmの異物】

【胃内にもあった異物】

【幽門部出口に挟まっていた紐状異物を鉗子で掴むところ】

【異物を掴みひっぱりだし、食道内を通過してるところ】

【取り出した紐状異物(綱状)】

【取り出した後の幽門部出口】

↪︎異物があったことのより軽度な炎症が起こっています。

 

その度、十二指腸まで確認し、異物が全て取れたことを確認し処置を終了しました。

この子はその後吐き気もなくなり、食欲も出てくれました。

 

今回は幸い侵襲が少ない内視鏡で摘出できたので良かったですが、紐状異物は時として腸に引っ掛かり内視鏡では取れずお腹を開ける手術にふみきらなければいけないことがあります。

そのため、わんちゃん猫ちゃんの誤食(特に紐)には十分注意し、万が一なことがあればすぐにご相談ください。