定期的な診察にいらした高齢なわんちゃんになりますが、
全身の身体検査を行なっていたところ口の中に腫瘤性病変が認められました。
出来物のほとんどは内側の為、飼い主様も気づいておりませんでした。
口の中の腫瘤には、悪性黒色種(メラノーマ)、扁平上皮癌、周辺性歯源性繊維腫などの腫瘍性病変も多く起こります。
肉眼では診断が困難であるため、鎮静下で一部切除を行い病理組織検査を行いました。
病理結果は「歯肉過形成」ということでした。
これは歯石や歯周病などの慢性的な刺激で起こる歯肉の増殖になります。
通常は歯石除去や抜歯などの歯科処置で対処することになりますが、このわんちゃんは持病のため麻酔による処置は見送っております。
一般的な身体検査でも、口の中や喉の奥や非常に見えにくいところになります。
見えづらいところの病変は、気づいた時には進行し切っている場合も多いです。
飲み込み辛さや、口臭、出血など、少しでも気になることがある場合は早めに受診して早期発見からの早期治療を行いましょう!