ふなばし動物医療センター 日々の診療

ふなばし動物医療センター(かつまペットクリニック)での日々の診療などをご紹介いたします。(HP: https://katsuma-pc.jp)

消化器疾患

胆石症のわんちゃんの一例

胆石症は基本的に無症状の症例で治療は必要ないと言われています。 しかし、胆石の閉塞により、胆嚢側の胆管が拡張する場合は、外科的な治療が必要になります。 この子は胆石による細菌感染性の胆嚢炎を発症しており、GPT1000以上、GGT50、食欲不振を起こし…

腹腔内出血で来院したわんちゃんの1例

シニアのMIX犬 元気食欲低下で来院、触診で可視粘膜の蒼白が見られました。 血液検査では再生性貧血、低タンパク結晶。 腹部レントゲン検査で腹腔内に巨大な腫瘤が認められ、腹部エコー検査にて脾臓発生の腫瘤と判明しました。また、同時に腹水の貯留も確認…

紐状異物を誤食してしまった猫ちゃんの一例

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠ 今回は異物を誤食してしまった猫ちゃんの紹介です。 1歳の避妊済みの猫ちゃんで、 2日前におやつの包装紙を食べて吐いた後、嘔吐が続くとの主訴で来院しました。 その際に包装紙以外にも様々なもの…

誤食したヒモ状異物を内視鏡下で摘出した一例

症例は4歳の猫ちゃん。 前日に10cmの長さの紐を誤食し、朝から吐き気と震えを主訴に来院。 腹部エコー検査で胃の幽門部から十二指腸にかけて連なってる異物を確認したため、異物による腸閉塞を疑い、全身麻酔による内視鏡下で摘出を試みました。 【十二指腸…

胆嚢粘液嚢腫に対して胆嚢摘出術を行った犬の一例

今回は胆嚢粘液嚢腫についてお話しします。 胆嚢粘液嚢腫とは、中年齢から高年齢に発症し、胆嚢内にゼリー状のムチンが多量に蓄積する病態です。過剰に蓄積した粘液物質が胆嚢壁を圧迫し、胆嚢破裂を起こす可能性があります。重篤な胆汁性腹膜炎を引き起こす…

猫の直腸腺癌における手術と抗がん剤で寛解した一例

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠ 今回は猫ちゃんの直腸に発生した悪性腫瘍(直腸腺癌)を手術と術後の抗がん剤で緩解維持できてる症例についてお話しします。 高齢猫ちゃんが排便困難を主訴に来院。 触診にて多量の糞便の貯留を確認…

持続する肝酵素上昇の子に肝生検を実施し、内科治療の変更で改善した一例

こんにちは、今回は肝臓病の症例についてお話しします。 初めに、、、 肝臓とは体に必要な蛋白や糖などを作り、体に有害な毒性物質などを分解する臓器で、体にとってとても重要な臓器です。 肝臓がなんらかの理由で障害が受けた時に血液検査で肝酵素(ALT、A…

腸切開により異物摘出を行った猫ちゃん

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠ 数日前から続く嘔吐と食欲不振を主訴に来院しました。 超音波検査で腹部を確認すると、小腸の一部分に何か異物があるのが確認できました。 そのせいで胃や十二指腸に液体貯留所見(消化管の流れが悪…

2ヶ月齢の子犬のジアルジア症

2ヶ月齢の子犬ちゃんで、軟便や下痢 を主訴に来院された症例です。 糞便検査にて原虫が確認されました。 (見づらくて申し訳ありません) この原虫はジアルジアというもので、一般的に小腸に寄生しています。特に子犬ではしばしば感染が認められることがあり…

内科療法で良好な反応が認められた7歳トイプードルの胆嚢粘液嚢腫

7歳去勢オスのトイプードルちゃん。 突然の食欲廃絶と元気消失で来院されました。 血液検査を行ったところ、重度の胆肝障害が生じている事がわかりました。 腹部超音波検査を行うと、胆嚢内に以下の様な所見が認められました。 写真① これは胆嚢粘液嚢腫とい…

消化管間質腫瘍(GIST)の切除を行いました!

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠ 今回は先日の消化管腫瘍の症例についてです。 13歳のポメラニアンの女の子で、前日に突然吐いて、吐いたものを食べて、次の日から食欲がなくなったとのことで来院されました。 血液検査の結果は、リ…

ジョイントマットで腸閉塞を起こした猫ちゃん

今回は先日異物を誤飲してしまって、腸閉塞を起こしてしまった猫ちゃんのお話です。 ブリティッシュショートヘアー 6歳 (避妊メス) 急性の嘔吐とその後の元気食欲低下を主訴に来院されました。 身体検査、血液検査は異常はありませんでしたが、超音波検査で…