2ヶ月齢の子犬ちゃんで、
軟便や下痢 を主訴に来院された症例です。
糞便検査にて原虫が確認されました。
(見づらくて申し訳ありません)
この原虫はジアルジアというもので、一般的に小腸に寄生しています。
特に子犬ではしばしば感染が認められることがあります。
1回の糞便検査では見つからないこともあります。
また感染していても、子犬の免疫力低下や低栄養状態、腸内細菌叢の変化が発症に関与しているとされ、必ず軟便や下痢などの症状が発症するとは限りません。
発症しても一過性で重症化することはほとんどありません。
確定診断は直接原虫を検出することや原虫の抗原検査、遺伝子検査です。
治療は抗原虫薬を2週間ほど投薬します。
その際も糞便検査で便の状態や原虫の有無を確認します。
また、腸内環境を整えるプロバイオティクスの利用もする場合があります。
この子は抗原虫薬投与後3日ほどで一回便は良便になりましたが、
その後まだ軟便気味なのでプロバイオティクスも途中で追加し、現在治療中です。
なかなか1週間では改善が見られない場合もありますがしっかり薬を飲んで治していきましょう。
すこしでも糞便の様子がおかしい、気になるようでしたら、
一般的な糞便検査でも分かってくることがあります。
お気軽に病院までご相談ください。