ふなばし動物医療センター 日々の診療

ふなばし動物医療センター(かつまペットクリニック)での日々の診療などをご紹介いたします。(HP: https://katsuma-pc.jp)

犬の短頭種上部気道症候群

⚠⚠手術の画像が含まれます。苦手な方は閲覧ご注意下さい⚠⚠

 

 

 

先日フレンチブルドッグのわんちゃんに外鼻孔狭窄矯正手術を行いました。

短頭種は外鼻孔が狭く、年中鼻からズーズー異常な呼吸音をして、時には努力性の呼吸が認められる事があります。

この子も外見では外鼻孔狭窄があり、レントゲン検査では明らかな喉頭や気管虚脱などの異常は認めらなかったため、外鼻孔の拡張の手術を行いました。

本症例は麻酔導入の挿管時に軟口蓋過長症や反転喉頭小嚢は認められませんでした。

↑手術前の写真

左右の鼻翼を楔形に切開する楔形切除術を実施致しました。

左右の鼻腔が対称になる様に鼻翼を切除し、吸収糸を用いて縫合しました。

 


   

  手術後の写真 

手術後は鼻からの異常な呼吸音は減り、努力性呼吸は無くなり症状は改善しました。

外鼻孔は広げすぎると外貌が大きく変化するため、適度な矯正が必要になります。

切開が少なくても症状の改善がありませんし、切開しすぎても見た目の変化が大きくなりすぎます。

 

全ての短頭種で手術が必要な訳ではなく、上部気道症候群による呼吸障害やその兆候がある子では必要になります。

治療を行わずに呼吸障害の状態が続くことで、別の呼吸器疾患や消化器疾患が続発してくる可能性がある為、なるべく早期の手術をお勧めしております。

 

以上のような症状で悩まれている場合は当院までご相談ください。