ふなばし動物医療センター 日々の診療

ふなばし動物医療センター(かつまペットクリニック)での日々の診療などをご紹介いたします。(HP: https://katsuma-pc.jp)

リウマチ性関節炎のミニチュアダックスフンド

今回の症例は、8歳齢のマルチーズの男の子です。

 

前肢の手首にあたる手根関節というところが徐々に外側へ曲がってきて、ベタ足になっているとのことで来院しました。

直角に曲がった手首や踵がベタッと地面につくことを「ベタ足」と言います。

以下の写真は来院時の前肢の写真です。

 

前肢の手根関節は外反しており、屈伸させるとコリっというクリック音がしました。


レントゲンを撮ってみると、手根関節を形成する多数の手根骨が溶解し、関節が変形してしまっていました。

 

 

リウマチ性関節炎は、自己免疫性疾患の一つであり、体を守るために働く免疫系によって自身の細胞が攻撃されてしまう疾患です。


関節が炎症を起こし、軟骨や骨が破壊されてしまい、疼痛や歩行異常が生じます。



発生の原因はよくわかっていませんが、5歳前後の中齢の小型犬に多く発生すると言われています。


初期は発熱や活動性の低下、食欲不振などの非特異的な症状であり、破行が認められないこともあります。


進行性の病気であり、完全に治すことは難しいことが多いため、抗炎症薬や免疫抑制剤の内服のより炎症を抑えて痛みを和らげ、進行を遅らせることが治療の中心となります。


また、オーダーメイドの装具を作成することでQOLの改善が期待できます。



一度破壊された関節は簡単には元に戻らないため、早期発見・早期治療な疾患のため、少しでも気になる症状がありましたら早めに動物病院へいらしてください。